甲斐です。

 

今回は説得術の基礎中の基礎である、

「グランファルーン・テクニック」について解説していきます。

 

ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーや、

第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュなど、

国家トップクラスの政治家たちも積極的に用いていた手法です。

 

それでは早速参りましょう。

 

グランファルーン・テクニックとは(独裁者アドルフ・ヒトラーが大衆扇動に用いた手法)

 

グランファルーン・テクニックの「グランファルーン」とは、

”誇りを感じさせるが、意味のない人間同士の連帯”のことです。

 

平たく言うと人間同士の無意味な「仲間意識」のことです。

 

人は一度も面識のないアカの他人だとしても、

その「仲間」だと設定されることで仲間意識を持ってしまいます。

 

それはなぜかと言うと、人は家庭、会社、国家など、

人に受け入れられていることに安心感、安定感を持つ

「集団帰属欲」という心理的欲求があるからです。

 

学校のクラス分けや、運動会のチーム分け、

クラス対抗リレー、会社の部署や配属先、など、

完全に無差別、無意味に分けられた集団に対して、

親近感が湧いたり、協力を図ろうとしたりする、

人の集団で生じる心理的現象を「グランファルーン」といいます。

 

心理学者ヘンリー・タジフェルがこの心理的現象を

マーケティングに応用したのが「グランファルーン・テクニック」です。

 

本来は何の繋がりもない人間同士を「集団」だと認識させることで、

そこへ所属する人たちは「集団」の意向に沿う形で行動するようになります。

 

学校のクラス分け、ドッジボールのグループ分け、

運動会の赤組白組、クラス対抗リレー、会社の配属先、など、

おそらく、あなたもこれまでの人生経験のどこかで、

”誇りを感じさせるが、意味のない人間同士の連帯”を

実際に経験したことがあるはずなので、想像するには難しくないはずです。

 

集団間差別

 

人は一人の時と、集団の時では振る舞いが変わり、

自分の所属する「内集団」には好意的態度をとり、

他の集団「外集団」には非好意的態度をとるようになります。

 

それを社会心理学では「集団間差別」といいます。

 

なぜ、人は集団の中に入ると

一人の時とは違った振る舞いをとるのかと言うと、

周りの人たちから様々な影響を受けるからです。

 

そして、外集団に対して非好意的態度をとってしまうのは、

所属している内集団のフラストレーション(不平不満)からくる

攻撃衝動を外集団に向けることで内集団の統合と秩序を維持しているからです。

 

人は外集団に対して競争性を持ち、

その優位性を比較、確認することで、自分にとって望ましい

社会的アイデンティティを達成、維持して自己評価を高めています。

 

これは「自己高揚方略」といって、

自分が所属する集団を高めることによって、

自分の評価も高めようとする心理的法則です。

 

グランファルーン・テクニックを利用する人間は、

”誇りを感じさせるが、意味のない人間同士の連携”

その集団に所属する人間の深層心理を理解しています。

 

その上で、意図的に共通の敵を作って、

大勢の人たちをことば巧みに扇動しています。

 

グランファルーン・テクニックの事例と解説

 

グランファルーン・テクニックは、

学校、会社など小さな集団に限らず、

宗教、国家、など大きな集団にも効果があります。

 

例えば、

日本人をジャップ、ベトナム人をグッグ、

白人をホワイティ、黒人をニガー、など、

人を個人の名前ではなく蔑称で呼んだりすることから分かるように、

大きな集団は人種差別などを生み出してしまいます。

 

それはなぜかというと、

社会的集団というのは、その集団の中で自尊心やプライドを生み出し、

他の集団に対しては対象を抽象化して捉え、先入観を持ってしまうからです。

 

ユダヤ人を虐殺したドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーの政治戦略には、

こうしたグランファルーン・テクニックが応用されています。

 

ヒトラーは非常に演説の技術が高かったそうですが、

その巧みな演説術にはグランファルーン・テクニックをはじめ、

人の深層心理に働きかける様々な説得術が取り入れられています。

 

ヒトラーは演説の最中、”ドイツ人は優秀で誇り高い”という、

ドイツ民族の自尊心を高める主張を何度も繰り返し、

それと同時に、”国民が抱える問題のすべての原因はユダヤ人のせい”であり、

ユダヤ民族は卑劣で劣っていて危険という主張を何度も繰り返しました。

 

そしてご存知のように、ドイツ人にとっての共通の敵はユダヤ人となり、

ヨーロッパに住むユダヤ人、950万人中600万人が殺されるという、

歴史的な悲劇を迎えています。

 

その結果を生み出した一つの要因は、

間違いなく、グランファルーン・テクニックです。

 

第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュは、

自身の選挙戦や、イラク戦争時のアメリカ人の士気を高める為、

マスメディアを使った演説などプロパガンダに応用しています。

 

カルト的な宗教の教祖なども常日頃から応用していますね。

 

ただ、特にグランファルーン・テクニックは国のトップクラスの政治家や、

カルト的な宗教の教祖だけが使うテクニックというわけではありません。

 

ドイツでは大衆扇動罪で罰せられてしまいますが、

世界中で大衆扇動を目的としたグランファルーン・テクニックは

今日も普通に活用されています。

 

悪用は厳禁ですが、あなたも取り入れることができるはずです。

 

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